府中や不動産のちょっとした話


競売不動産とは

2014年12月12日 12:48

 1、一般流通不動産VS競売不動産

一般流通不動産は宅地建物取引業法という法律で買主の保護が手厚く行われています。通常の取引は、宅地建物取引業者(不動産業者)が売主又は媒介を行なうことにより安全に取引が行われます。

これに対して、不動産競売は特に取引そのものを規制する法律はありません。但し、民事執行法という法律の中で競売における規則が定められていますが、競売を管轄する裁判所が競売取引に媒介責任を持つ事ではありません。

管轄裁判所は競売物件の物件明細、現況調査、評価について調査報告を提示しますが、それらに対して責任は持ちません。つまり媒介というより整理という立場にあるといえます。競売不動産を入手することは、買受人(落札人)が全責任を持って行うということです。もし問題が起きた場合は、買受人(落札人)がそれを解決しなければなりません。では、一般流通不動産と競売不動産の違いについて見てみます。

 ※については、民事執行法の中で、引渡命令、強制執行がありますが、買受人が申請し必要資料を用意しなければなりません。

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 2、取引が困難な競売物件

①競売物件の登記法上の権利は登記簿謄本に記載されていますが、競売で落札しても消滅しない権利には次の者があります。

留置権、最先順位の使用収益しない旨の特約のない不動産質権、用益権 最先順位の仮処分 抵当権に先行する仮登記

これらの権利は、物件明細書に消滅しない権利として記載されていますが、注意しなければなりません。

例えば債権者の抵当権設定前に所有権移転仮登記が登記されている場合、落札後、所有権が移転されてもその後仮登記を本登記した場合、落札者の所有権は消滅し、落札者は落札した競売物件を取得できません。

②共有持分の競売物件を落札しても他に共有持分者がいるため、落札後、勝手に物件を占有したり売却する事はできません。これを解決するには、共有持分の分割訴訟により残りの共有持分を取得しなければなりません。民事訴訟による裁判は落札人が行います。

③借地権のない建物の競売物件。例えば土地は親族が所有して、建物のみが競売される事があります。これが賃借権ならば問題はありませんが、使用借権であった場合、建物の落札人は落札後、土地の所有者から建物収去を申し立てられ更地の返還を求められた場合、これに対抗できません。現況調査報告書に土地の使用借権は記載されますが、建物が競売物件であるため、物件明細書には消滅しない権利については記載されないので特に注意が必要です。

④最先の賃借権がある競売物件。競売を申し立てた債権者がその競売物件に抵当権を設定する前に賃借していた賃借人に対しては、借地借家法により引渡命令及び強制執行はできません。賃借人が物件の明け渡しに応じない場合、落札人は落札物件を占有できません。この最先の賃借権については物件明細書に記載されます。

3、競売物件の総括

不動産競売は、裁判所が介入した「不動産取引」です。その取引には先ず民法が関連しますが、民法では契約に関する規定(売買契約、賃貸借契約等)や、担保権に関する規定(抵当権、法定地上権等)など、不動産競売手続きに関連する様々な規定がおかれています。

また所有権の移転等に伴ってそれを第三者に対抗する「登記」に関する内容を規律する法律として「不動産登記法」が関連してきます。

そして民事訴訟法によって確定された権利を実際に実現するための手続きを規定したものとして「民事執行法」が関連してきます。

なお、実体的権利関係の存在が民事訴訟で確定されても、債務者が対象物を他の人に処分してしまうと、その権利関係が複雑になり、新たな争いが生じてしまいます。そこでそうした紛争を予め阻止するための保全手続を規定した法律として「民事保全法」も関連してきます。このように、不動産競売といっても数多くの法令が関連していますので不動産競売に参加される方は十分に意識しておく必要があります。

 

 


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