●競売の売却で抹消されない権利

競売事件の担保を目的とする抵当権等の設定登記以前に登記された各種登記(仮登記、仮処分登記、買戻特約登記、地役権設定登記、賃借権設定登記等)は、競売の売却により抹消されません。又、競売の売却により抹消されない権利は、物件明細書の「3 買受人が負担することとなる他人の権利」の欄に記載されますが、抹消の嘱記ができない登記として、「売却により効力を失ったわけでない登記」があります。
買戻期間内に買戻権の行使がされず、買戻権が消滅した買戻特約登記、存続期間の満了している不動産質権登記等、競売の売却により効力を失ったわけではない登記は、競売の抹消の対象とはなりません。

<事例>
親が高齢の為、子が生前贈与の所有権移転の仮登記を設定しましたが、親が間もなく亡くなり、前記仮登記をそのまま登記上残して相続登記を行いました。その後、金銭を融資した金融機関が仮登記名義人と相続登記名義人が同一人物であるので前期仮登記を残したまま抵当権を設定しました。数年後、本物件は競売になりましたが、前記仮登記は抵当権設定以前の登記であるため、競売の売却では抹消されません。又、競売の物件明細書3の「買受人が負担することとになる他人の権利」は「なし」と記載されています。
然し、本物件の落札人は引渡命令の申立は出来ますが、前記仮登記権利者が本登記移転の訴訟を申し立てた場合、後順位者は承諾義務があるため、全抵当権が抹消された当該物件を仮登記権利者が取得する事になります。
従って、落札人は競売代金を支払い名義を取得したものの、当該物件を失うことになります。

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