●短期建物賃借権と引渡命令

<短期建物賃借権・平成16年4月1日以降に発生>
平成16年4月1日以降に発生した賃借権は、従来の短期賃借権が適用されず、競売の売却により当該賃借権は消滅します。その際、買受人が当該賃借物件の明渡しを求めた場合、賃借人は6ヶ月以内に当該賃借物件を明渡さなければなりません。この場合、引渡命令は代金納付後9ヶ月以内に申立てることが出来ます。又、賃借人が前所有者に預託していた敷金又は保証金は買受人から返還されません。すなわち競売の売却により当該賃借権は消滅するため買受人は前所有者の地位を引き継ぎません。その為、当該賃借物件が明渡ではなく継続される時も、買受人から新規に賃貸借契約の締結を求められ、新規に敷金又は保証金の預託が必要になる場合があります。又、賃借人は前述6ヶ月以内の期間、相当の賃借料を支払う必要があります。

<短期建物賃借権・平成16年3月31日以前に発生>
抵当権設定後に発生した賃借期間3年以内の賃借権については、旧民法395帖条が適用されて短期賃借権制度の適用を受けます。3年を超える賃借権である長期賃借権については、新法が適用され建物明渡猶予制度(6ヶ月)により保護されます。
期間の定めのある建物短期賃借権は、差押後に賃貸借の更新をしても、この更新は買受人に対抗できず、期間経過後買受人は引渡命令を申立てる事ができます。
但し、差押後に期限が経過していない場合は引渡命令の申立はできず、買受人は期限の経過を待って引渡命令を申立る事になります。但し、代金納付後6ヶ月以内に申立てなければなりません。
6ヶ月以内に期限が経過しない場合は訴訟手続で引渡を求めることになります。
期限の定めのない建物賃借権に対しては、原則としていつでも解約の申入れをすることがで出来、解約の申入れの日から6ヶ月を経過する事により賃借権が終了します。この場合、買受人が代金納付後解約の申入れをしても賃借権の終了は6ヶ月以上先になり、代金納付後6ヶ月以内に引渡命令の申立をするのは不可能になります。この場合も訴訟手続で引渡を求めることになります。

このウィンドウを閉じる